セルプヘルプ・グループとは、生きづらさを感じたり、悩みをもつ本人やその家族が出会い、つながり、支えあうグループのことです。たとえば、認知症の人と家族の会、ひきこもりの子どもの支援者の会、日本糖尿病協会など、日本にはたくさんのセルプヘルプ・グループがあります。
セルプヘルプ・グループが現れたことは、患者さんたちが治療を「受ける」だけでなく、専門家とお互いにやり取りをするきっかけにもなります。
日本のセルフヘルプグループのいろいろ

もともと19世紀にイギリスで生まれたセルフヘルプ・グループは、日本では戦後に活発になりました。代表的なものはハンセン病や結核。時代が変わって公害に関するセルプヘルプ・グループ、自閉症のグループなど。徐々に、薬物依存など精神障害のセルプヘルプ・グループや、介護のグループも生まれてきます。
セルプヘルプ・グループに共通したもの:平等な立場

いろいろなセルプヘルプ・グループがありますが、共通した特徴があります。メンバーは共通の悩みやゴールをもち、みんな平等です。参加は強制ではなく、自分の意志です。そして、だれか専門家の指示を待つのではなく、主体的に活動しています。
セルプヘルプ・グループの例
病気や障害をもつ人の セルプヘルプ・グループの例 | ・難病などの病気がある人 ・障害がある人 ・発達障害の人 ・吃音がある人 など |
依存に関係するもの | ・難病などの病気がある人 ・障害がある人 ・発達障害の人 ・吃音がある人 など |
死別をした人 | ・子どもを亡くした人 ・配偶者を亡くした人 など |
さまざまなセルプヘルプ・グループ | ・ひとり暮らしの高齢者 ・ひとり親 ・介護をしている人 ・子育てをしている人 ・暴力被害者 など |
セルプヘルプ・グループに参加する3つのメリット
メリット1:感情を解放できる
仲間同士でおなじ悩みを理解しあい、分かち合える人との出会いがあります。モデルになる人に出会うことで、自分の将来のことを考えられるようにもなります。
メリット2:情報が豊富にある

セルプヘルプ・グループは、参加者の助けになるように詳細な情報を教えてくれます。また、他の人と接することでも、いろいろな情報が得られます。専門家も相談相手になっていたりしています。
メリット3:組織として力をもつことができる

セルプヘルプ・グループ自体が結束して、社会的な活動を行うことができるようになります。政府や行政に働きかけたり、地域での啓発などの活動もしています。